日記駆動仕事術のススメ
日記書くといいですよ
prismatix事業部の塩谷(@kwappa)です。
他部署の人と1on1する機会があり、その中で「日記書くといいですよ」という話をしました。
そういえば以前からことあるごとに「日記書きましょう」と言い続けていたのですが、ちゃんとコンテンツにしたことはなかったような気がします。
せっかくの機会なので、日記駆動の仕事術とその意義について書いてみます。
日記駆動仕事術
これはぼくの1月の日記(架空)です。Notionを使って、1か月に1ページ使うようにしています。やり方はシンプルなので、手に馴染んだツールで置き換えることも簡単だと思います。
タイムラインとしては、1/31(月)の業務を開始したところ、だと思ってください。
TODO
タスクとしてやらなければいけないことをTODOリストにしています。日付と概要だけというシンプルなもので、詳細が必要であればURLを添えます。
ここがすべてチェックされていれば仕事完了、という状態を作ることでシンプルにタスクを進めることができます。
日々の記録
朝、仕事開始のタイミングでカレンダーの予定を転記します。
ミーティングの予定であれば、その下に自分用のメモや感想を書いていきます。対応しなくてはならないタスクが発生したら、TODOリストに追加します。
カレンダーの予定以外でやったこと、できごとなどは Memo
のセクションに記録していきます。経験上、綺麗に整理されているよりは情報量が多い方があとで役に立つことが多いので、ささいなことや自分の主観、感情といったものも含めてざっくばらんに書くとよいでしょう。
他ルートからの情報整理
外からやってくるタスクも、基本的にこの日記のTODOに集約します。
Slack
何か対応が必要なポストは「Add to saved items」を押します。「Saved items」は頻繁に見直し、返信が必要であれば返信したら、何らかのタスクであれば日記のTODOに転記したら、「Remove from saved items」を押してリストから削除します。
業務終了時はカラになっていることを目指します。
Gmail
何か対応が必要なメールにはスターをつけます。「スターつき」のメールボックスは頻繁に見直し、返信が必要であれば返信したら、何らかのタスクであれば日記のTODOに転記したら、スターを外してメールボックスから削除します。
業務終了時はカラになっていることを目指します。
その他ルート
いずれもSlack / Gmailと同様、「何らかの目印をつける」→「リアクションもしくはTODOに転記したら目印を外す」というフローを回します。
日記が役立つとき
日記駆動で仕事をすると、こんないいことがあります。
仕事のリズムができる
日々の仕事は日記のテンプレを作るところから始まり、SlackやGmailなどからの情報も日記にまとまり、出来事や感想、感情を記録し、TODOをこなしていく。シンプルな日々のリズムを作るきっかけになります。
仕事を反芻できる
今月と先月の日記を時々読み返すことで、直近の出来事をふりかえって、抜け漏れを検知したりよりよいやり方を模索したりできます。
アウトプットのネタになる
技術的にやったことを記録しておけば、ブログなどアウトプットのネタになります。詳細なコードやログは別のところに保存してあってもよいので、リンクが日記に存在するようにするとあとでまとめるときに楽になります。
評価とキャリアのソースになる
会社員をやっていると「評価」はついて回るものです。その期間何をやったか、どんな成果を出したかをふりかえるための有力な情報になります。
また、どんな仕事をしてきて何を学んだかの記録があれば、自分のキャリアがどう積み重なっているかを知る道標になります。日々の出来事をふりかえることで、学んだり身につけたりする必要があったり、キャリアパスとして方向転換が必要だったり、ということに気がつくきっかけになることも期待できます。
感情を整理しよう
日記には「主観や感情も記録する」と書きましたが、ネガティブな感情をネガティブな言葉で記録してしまうと、あとから見返したときにもネガティブな方向に引っ張られてしまいます。ネガティブな感情を記録するときは、あくまでも「そういう感情をもった」という記述だけに止めた方が、精神的なストレスを低く抑えることができます。
しかし、ネガティブな感情をグッとため込んで我慢するだけでは、やはりストレスを蓄積してしまうことになります。適度に発散することはとても大切です。
その発散方法としておすすめしたいのが、古典的な手法ではありますが「チラシの裏」。ネガティブな感情を記録する必要が出てきたら、捨てていい紙に手書きで感情をぶちまけます。このときは遠慮なく、悪口雑言を連ねましょう。個人名も書いてかまいません。
ひととおり書いたら、その紙は入念に処分します。シュレッダーにかける、焚き火の着火剤にするなど、物理的に再現不能な状態にしましょう。処分が終わる頃には、感情を整理して日記に書けるぐらいには落ち着いていることと思います。
あとがき
ぼく自身は2008年ごろから仕事日記をつけるようになりました。コンビニで買った小さなノートから始まり、モレスキンと4色ボールペンになり、デジタルツールをいくつか乗り換え、今はNotionに落ち着いています。ツールはなんでもいいのですが、一番接触する機会が多くなるので、手触りがよいものを探しましょう。
感情をチラ裏で処分するのは、以前お坊さんとお話しする機会があったときに教えていただきました。シンプルながらいい手法なのでしばらく愛用してきましたが、気がつくと「感情を書く→紙を処分する」という一連の流れを脳内で済ませられることも増えてきました。これが悟りを開くということへの第一歩なのかもしれません(たぶんちがう)。
追記 (2022/02/03)
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いただいたリアクションより
- これは「日報」では?
はい、誰かに見せたら「日報」です。感情を記録・処理するのも目的なので、ぼくは誰にも見せない前提で「日記」としています。たとえば週報を書く必要があるなら、日記のダイジェストが有用な情報となるでしょう。
若手、特に新卒入社のエンジニアには、研修の過程で日報を書いてもらうケースがあります。そういうとき一緒に、日報が必要なくなっても記録するといいよ、とこの話をしています。
- これっぽいことやってる!ツールは***で!!
ありがとうございます!ぜひあなたの「日記駆動仕事術」もコンテンツとしてアウトプットしてください!!特にいい感じのツールについて知りたいです!!!
- 三日坊主で続かないんだよね
わかります。でも、「日記」なので、過去を振り返って書いても全然問題ありません(TODOさえこぼさなければ)。ぼく自身も仕事が詰まってきたりストレスが強くなってくると、日記をあとまわしにしがちな傾向があります。数日分空白のページを見て「ちょっとやばいなペースを取り戻さなくちゃ」と思うこともありますので、書き忘れることは自分のベンチマークなんだ、ぐらいの気持ちでゆるっと続けていくとよいのです。